SPARKLE TWINKLE

いまのこの暮らしこそが宇宙だよという話がしたい

11/12 小沢健二「湾岸をぶっ飛ばせ WANGAN PEDAL TO THE METAL」/ 豊洲PIT

出勤前に3時間かけても書き終わらなかったし、現時点で4500字を超えているので、

帰ってきてまた書きます。

 ***帰ってきて4時間書いたけど全然終わらない。(11/14 02:07)

 

今ここにあるこの暮らしこそが宇宙だよと、今も僕は思うよ

なんて奇跡なんだろうと

 

11/12 小沢健二「湾岸をぶっ飛ばせ WANGAN PEDAL TO THE METAL」/ 豊洲PIT

 

魔法的、武道館とライブを見てきて、ライブの記録を残さなかったことをとても後悔しているので、今回は粗削りでもとにかく書くことにしました。

 

私の一日は10時の時点ですでに始まっており、家を出たのは10時45分。

豊洲に着いたのは12時過ぎ。

なんとしても絵コンテTを手に入れなくてはという強い意志の元、3時間前から待機することにした。仕事は休んだ。

急遽告知された2days、チケットは激戦だろうし、普通に仕事あるし、抽選当たらなかったら今回はあきらめようと思っていたけれど、当たったので迷わず休んだ。

だから今日は一日中おまつり!!

 

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どこに並べばいいかわかるだろうか、そもそも誰かいるのだろうか、と一抹の不安がよぎるも、すぐに杞憂だったことがわかる。

私が到着した時点ですでに18人並んでいた。

男女比は半々くらい、スマホ見てる人と本読んでる人の割合も半々くらい。

何も見ていない人は何を考えてこの時間を過ごしているんだ?3時間だぞ?

これでロンT買えないってことはないだろう…とこの時は思っていました。

15時10分に物販が始まり、5分後には私のお会計は終わっていたけれどその時すでに先行分のKakkoii T黒のXLが売り切れていた。

作らなすぎだろ!!!種類問わず一人2枚しか買えないのに売切れて!!!

絵コンテTの黒を自分の分と友達の分、それとおつとめ品のマグカップ(オレンジ、すでに持っている)を買い、ひとまず安堵して豊洲駅に取って返す。

 

駅前のブランジェリーでケーキとコーヒーを頼み、國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』を読み進める。

映画『ファイトクラブ』についての言及がありうれしくなる。

そうか、タイラーがカッコよく見えるのはブラッド・ピットが演じているからではないのか…

そうこうしているうちにあっという間に17時。

豊洲駅のコインロッカーに必需品以外を預け、再びPITに向かう。

自然と足が早まる!体が軽い。楽しみでたまらない!

走りながら見上げた空の陽は沈む直前で、輝ける金星が湾岸の空に見える。反対側には満月。

なんて美しいんだろう!

 

6時間前には閑散としていたライブハウス前も人でごった返す。

私は1000番台だから最前は無理だなー、終演後友達と会えるといいなー、暗いから本も読めないしなー、スマホの充電不安だからあんまりいじれないしなー、

と一人でライブ前の緊張を高めていると、地方から遠征してきたという母と同年代のご婦人に声を掛けられる。

整理番号の並び順はどうやってきまるのか、と聞かれたので、

早い番号はかなり番号を刻みながら呼ばれると思いますよ、とお答えし、

物販買えました?とか、サイズがなくてすごく大きなやつしか買えなくて、とか、物販で新譜売るのがわかってたら予約しませんでしたよね!ここで買いましたよね!事前に告知してほしい!など、今日一日の労苦に対するあふれんばかりの思いを分かち合いつつ、

整理番号呼び込みの前にお手洗いに、とご婦人は去って行かれた。

わたしも1000番台の列へ。

 

中に入ると18時からの物販が始まっていたのでもう一度並び、今日ここに来られなかった兄の分のロンTを確保。

年の離れた兄は私に小沢健二を教えてくれた人で、音楽を愛するということを体現してくれている私の師匠でもある。

兄は私と同じくらいここに来たかったに違いないのだ。

最近仕事が大変と聞くし、携帯も壊れちゃって思わぬ出費が続くしでかわいそうなので、おみやげで元気になってもらおう。

ついでにレコードジャケットも買った。春空虹の時には「買ったとしていつ着るの…?」と値段も相まって手が出なかったのだが、会場にちらほらジャケットを着ている人を見ると、すごくよく見えてしまい、完全なライブハイ。どーすんの次の支払い。そしていつ着るの?

 

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どーすんの?

 

せっかく荷物身軽にしたのにロンTとジャケットでポーチぎゅうぎゅうだし。

もう仕方ない、考えてから動いてたら後悔するからな!

 

物販に並び、ビールを買っても、前から4列目くらいには行けた!

すごい!近い!!目が良くてよかった!!!

豊洲PIT内は妨害電波でも飛んでいるのかまったく携帯がつながらず、ビールをちびちび飲みながら虚空を見上げライブを待つ。

あともう少ししたら目の前に小沢健二がやってくるのか…まじか…。

隣の人は電波つながってるみたいだよな、なんで私のだけつながらないんだろう?

ああ早く始まらないかな、今日すでに6時間待ってるけど今が一番長い。

 

そう思っていると急に暗転!

わー!

前に押されると思って覚悟してたけど全然押されない!

みんな大人だな!!

すごくよく見える!

小沢君だ!!!!!あーーーーー!小沢健二だ!!!

ど頭は新曲の「薫る(労働と学業)」!

少し堅めの朗読によってハンドクラップの練習が始まる。

「アルバムが出ることでリスナーが誕生する。誰かに聴かれることによってどんどん曲が形になっていく。だからこの曲が完成するにはどうしてもここにいるみんなのハンドクラップが必要。例外は認めない。」

小沢君に断定口調で話されるとなんでうれしいんだろう?

何度も繰り返されるサビ、そのたびに強くなるハンドクラップ。

聴いたこともない曲で体が動く動く、跳ねる跳ねる。

最高だ。

「君が君の仕事をするとき、偉大な宇宙が薫る」

この先、自分のふがいなさに打ちのめされるような仕事があっても、この詩この時を思い出せば私の心は宇宙に向かって舞い上がる。

宇宙の中でよいことをするために今日も労働に帰ることができる。

この曲だいすきだな!!

そして続く「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」。

アルペジオ、このイントロ小沢くんが弾いてたんだ…

小沢くん、インタビューとかでは、何も本当のこと言ってないじゃない!

頭を振る小沢健二、激しいコールアンドレスポンス!

この曲を聴いていると、本当に心が近づいて遠ざかっていく実感が胸になだれ込んできて、涙が出てしまう。

「この頃は僕だって弱いから、手を握って友よ強く」

青春時代のあの時、途切れてしまった日常と、時間が経った今もう一度握られる手。

あの時信じることができなかったやさしい未来が、いま強い輝きを持って存在するという事実。

離れていても、その人のこと思い出せばもうひとがんばりできるような友達。

「この頃は目が見えないから、手を握って友よやさしく」

加齢をこんなにやさしくなめらかに描く詩があるなんて。

「きっと魔法のトンネルの先、君と僕の心を愛す人がいる。本当の心は、本当の心へと届く。」

日比谷公園の噴水が春の空気に虹をかけ、神は細部に宿るって君は言う、僕は泣く」

「汚れた川は、再生の海へと、届く」

音楽を聴いたり、マンガを読んだりすることは、消費することだと教えられてきたけど、

そうじゃなくて、

私が作品を好きでいた時間、作品について考えたり、だれかと分かち合ったりした時間が、

本当の心だったってことを、小沢くんが改めて教えてくれる。

暮らしと作品を重ね合わせて、わからなかったことがわかるようになったこの歩みが、心が届いたってことなんだよな。

 

そして「今夜はブギー・バック(Smooth Rap)」!

高まるイントロ!熱狂!

スチャダラパー登場!

かっけーーーー!!!!スチャのライブで見るときもかっけーーーけど今日もまた一段とかっけえ!!!!!

ていうかボーちゃんの声の張り!!!アニがフロアを広く使ってる!!

それに合わせて人の波が動く!!!これしまおまほさんのコラムで読んだやつ!!

「街を歩けば、女の子たち、俺を見るなり、スキー!と叫ぶ!」

「とにかくパーティを続けよう、これからもずっとずっとこの先も、このメンツ、このやり方、この曲でロックし続けるのさ」

『我ら、時』で聴いた時もだいすきだなって思ったけど、年々好きになるなあ。

スチャは2011年の時にこのリリックを使って写真を撮っていて、8年経った今も同じ歌を歌ってくれている。

この歌がただ楽しい時間よずっと続けっていうその場限りのハッピーソングではなくて、現実の重さやつらさに直面した時の答えだってこと。

スチャが歌い続けてくれたから、パーティが続いている。

昔書いた歌詞が、昔した約束が、この未来に連れてきてくれた!!!

かっこいい!!!!!!

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そしてスチャの撮影タイム!

ボーズ「こういうときって写真撮るんじゃないの?」

アニ「たしかに」

小沢「せっかくだから、ちゃんと撮ろう!」

ボーズ「じゃあシンコも前に出てきて4人で撮ろうよ!」

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写真撮ろーよ

ボーズ「時代も変わりましたよね…昔はやたら撮っちゃダメ、なんて言ってましたけどね~」

ボーズ「はい!いま撮って!いまつぶやいて!スチャダラパー登場!って!」

アニ「昨日来てないのに!って」

ボーズ「はい!あと7秒ね!7,6,5,4,3,2,1!遅いよ!やっぱりおじさんが遅いよ!はいおしまい!もう撮っちゃダメ!…もうダメって言ってるじゃん!子どもの時と一緒だよ!決められた時間の中でちゃんとやるのこういうのは!」

客「ハッシュタグはー?」

小沢「ハッシュタグハッシュタグわからん!#ハッシュタグ #わからない(笑)」

楽しかったなー、小沢くんとスチャが普通に友達で。

小沢「Mステにはスカパラも一緒で、今日はスチャが来てくれて、友達と一緒にいると…笑」

うれしそうだな!

 

「僕らが旅に出る理由」

「そして君は摩天楼で、僕に宛て手紙を書いた。こんなに遠く離れていると、愛はまた深まってくのと」

ここで男子のみシンガロング。

「そして僕は腕をふるって、君に宛て返事を書いた。とても素敵な、長い手紙さ。何を書いたかは内緒なのさ」

これ、たぶん前のやつは女子だけにするつもりだったよね?

「遠くから届く宇宙の光、街中で続いてく暮らし」

ここでホーンセクションをみんなに歌わせる無茶な小沢健二

そして余裕でついていくオーディエンス!

パパパーパパッパッパ!パパパーパパッパッパ!

パラパラッパパパッパッパーパ!パラパラッパパッパッパーパ!

パパパーパパッパッパ!パパパーパパッパッパパパパパパッパーパ!

パッパッパッパッパーパ、パッパッパッパッパラッパパパ、

パララパラッパパラッパパッパパパパパー!

ここの繰り返しも本当に永遠のようで、このパートの多幸感がすごかった。

小沢くんが、アルバムが聴かれることで曲が完成していく、っていう意味が、こういう時分かる。

私は何度となく『LIFE』を聴いたし、聴いているときはうれしい日も悲しい日もあった。

どんな日だってホーンセクションは鳴り響き、私は口ずさんでいた。

私が歌えるのは、私が『LIFE』と一緒に生活してきたからだ。

今までの日々と今日の幸福が重なる。重なってまた遠ざかる。

「遠くまで旅する人たちに、あふれる幸せを祈るよ!」

「美しい星に訪れた夕暮れ時の瞬間、せつなくてせつなくて胸が痛むほど」

樋口毅宏も見てるかな?

 

「いま変な感じで終わったでしょ?あれは、終わるところで俺が続けちゃったからなんか変な感じになったの」

「ロックは白黒って感じ、出るか引っ込むかみたいな、カッコよくなるか変な感じになるか」

「フクロウも3人でガチャガチャしてたら生まれたんだよね。キタローさんがフクロウ好きなんだよね、「俺フクロウ好き―」って言ってたもんね」

「壮大な曲も、本当に小さいところから始まってて、あ、なんかできそうと思うと白根くんと中村さん呼んで、3人でスタジオ入ってガチャガチャやってるうちに曲ができるんだけど、こう、もわもわもわって煙が立ち上がるみたいに」

「そういうところをみんなに見てほしいなと思って、今日はこういう少ない編成でやろうと思いました」

「後ろに30人とかいるとできないけど、これくらいの人数だと急に転調したり同じところ好きなだけ繰り返したり、好きなことできちゃう」

「だから一曲がすごく長くなっちゃってね、でもそれが昨日すごいよかったよね、ね!」

新曲、魔法的で聴いたやつ(「飛行する君と僕のために」)と聴いてないやつ( 「失敗がいっぱい」)、ゆらゆら聴く。

クラップが自然に出てくる!

「涙に滅ぼされちゃいけない」

 

「ラブリー」

今回の小沢くんは本当に強くて、激しくて、ロックンロールだった!

魔法的の小沢君は王子様だったし、春空虹は天使だったけど、今日は人間だったなー!

目の前にいる人間とコミュニケーションしようとするエネルギーすごかった!

「いつか悲しみで胸がいっぱいでも OH BABY LOVELY LOVELY

 続いてくのさデイズ」

「LOVELY LOVELY WAY 完璧な絵に似た」

ラブリーが本当に悲しくてつらい日に生まれた歌だってこと、知った時は驚いたな。

この時から小沢健二は悲しみの中でも喜びを描ける人だったんだよな。

 

「シナモン(都市と家庭)」

シナモンだいすきだなー!

今日帰ったらミルクにシナモン入れて飲もう!

「外国時間を計算しながら、あなたにメッセージ送ってみるよ

 友愛の修辞法は難しい、恋文よりも高等で」

「狼のように月に吠える」

アオーーンって魔法的の時は吠えてたけど今日は吠えないんだな~。

 

「痛快ウキウキ通り」

「喜びをほかの誰かと分かり合う、それだけがこの世の中を熱くする」

ここも繰り返し繰り返し歌った!

「唾を吐き誓いたい、それに見合う僕でありたい

 しびれっぱなしの手のひら、鼻水手で拭いながら、痛快に降る雪の中歩いてく」

 

「フクロウの声が聞こえる」

ミャウミャウうねるギターの音色で森にさまよいこむような「フクロウ」。

始まる前にわざわざ演奏を止めてスタッフの方とやり取りし、

オーディエンスが「何?」っていう空気になったのを察した小沢くんが、

「せっかくだから説明すると、僕キィ~~~ンていうハウリングの音大好きで、いま気を利かせてミュートっていうやつをつけてくれてたんですけど、それを外してもらってたんです。だからこれから弾くときひどい音がすると思います」

ってわざわざ説明してくれるという。

どこまで積極的にコミュニケーションするつもりなんだ。

「芽生えることと朽ちること、真空管を燃やすギターの音

 いつか残酷さと慈悲が一緒にある世界へ!」

ララ、ラララ、ラララララララ、っていう合唱部分わたしすごく好きで楽しみにしてたんだけどぜんぜんやらなかった(笑)

 

「流動体について」

武道館の小沢くんは本当に天使みたいっていうか、

「流動体について」を歌いに小沢くんが日本に戻ってきたとき、本当にぴゅーんて空から飛んできたと思ったんだ。

だからなんか、神話の登場人物っていうか、未来に対する啓示を持っているように感じていた。

未来に対する啓示っていうか、すごく難しいんだけど、

踊り方を忘れた人々の前に光と踊りを与えに来たというような?

ちょっと人間離れした叡智と後光みたいなものを感じてしまったんだけれど。

 

だけど今回は個人的な歌を一人一人に向かって歌ってることをすごく感じて、こっちも全力で歌い踊るしかない感じだった!

小沢くんが一人一人に対して歌っていることが一番際立ったのがアンコールの「神秘的」だった。

一筋のスポットライトの中でクラシックギターをつま弾く小沢くんの歌から、

歌詞が立ち上る。

「秋の日に願いをかけながら、水辺を歩く

 ブルックリンの公園 形のない霧が渡る

 幻?いやそれは、イスラム教の詩のように

 確かな時を刻むよ」

これは驚いたなあ…

この曲お兄さんがすごく好きだって言っていて、私も好きだけど「夜と日時計」みたいだな~と思うくらいだったのが、目の前で歌を聴くと歌詞がよく分かった。

何だろうこの体験。

「神秘的、でもそれは台所の歌とともに、確かな時を遠く照らす」

「彗星」

 

帰り道に友達と話していて、「私の小沢健二」みたいな話をお互いにしたわけなんだけど、

友人にとっての小沢健二はシニカルで繊細な、人を食ったようなところを言う都会のおしゃれなお兄ちゃんで、最近の「全肯定」なんて評されるような小沢健二には少し距離を感じていたらしい。

それを聴いて私は、やっぱり今の小沢健二が過去の小沢健二よりも好きだなと思った。

小沢くんがしていることが「自己表現」ではないからだ。

もちろん『犬は吠えるがキャラバンは進む』も大好きだ。

若いころしか書けないような、繊細で、幼いがゆえに切実な詩の数々。

「ほんの少し傷つけあうために待っている恋人同士と

 何言ったって裏返っていく彼や彼女」

「神様を信じる強さを僕に、生きることをあきらめてしまわぬように」

「ありとあらゆる類の言葉を知って何も言えなくなるなんてそんなバカな過ちはしないのさ」

本当にだいすきだ。

そして時が経ち、うれしいことと悲しいことの去来する日々の中で、

世界が絶え間なく過ちを繰り返そうとしている現在に、

希望の方を選択する小沢健二の勇気に胸が震えてしまう。

小沢健二が知らないわけがない。

シリアで繰り返される爆撃を。香港で虐げられる若者を。原発後の日本の悲惨を。

もう会えなくなってしまった友達を。老いていく家族を。

でも、小沢健二は同じぐらいの鮮明さで、希望を知っているんだと思う。

噴水が春の空気に虹をかけること、とにかくパーティを続けること、いまこの暮らしこそが宇宙だってこと。

身が引き裂かれるような神経症と孤独の中にあっても、そっちを選べるんだと思う。

私は意地を張る大人がだいすきなんだ。

「大衆音楽」っていうけれど、だれもが口ずさめるというなら、

今の小沢健二の歌は童謡であり讃美歌だと思う。

彼は絶望のなかで、希望を信じるためにどれほどあがいたのだろう。

そして黙っていることもできたのに知っているから歌わざるを得ないのだろう。

誰にも伝わらないかもしれなかったのに、勇気を出して私たちに届けてくれたのだ。

「希望」を。

その強さを信じて生活している人が、一時ライブに集って、また日常に帰っていく。

それはなんて美しいんだろう。

報われないことってたくさんあるけれど、息ができないほどの孤独に襲われるけれど、

そういうときにも希望があることを知っているだけでいい。

何度でも出会いなおせる。

出会いなおせたとき、何度でも奇跡を分かち合える。

「真っ暗闇を打つ太陽みたいに、とても冴えた気持ち

 グラス高く掲げ、思いっきり祝いたいよね」